適応進化の分子進化学的研究

適応進化の分子進化学的研究

植物は動物と異なり自ら動けないため、周囲の環境条件に適応する必然性が高い。このような適応現象の結果として、同種内でさまざまな環境に適応した生態型が分化することがあり、複雑な種内分化を起こすことがある。例えば、高山や蛇紋岩地域などの特殊環境における矮小化や、渓流沿いで葉が細くなるなどの現象は、異なった植物間で同様な適応例が見られる。

本研究では、このような適応進化がどのようなプロセスおよびメカニズムで起きているかを実際の野生植物について解析を行う。一例としてはアキノキリンソウ(キク科)で起きている矮小型(イッスンキンカやミヤマアキノキリンソウ)や狭葉型(アオヤギバナおよび北海道の蛇紋岩地生態型)などの生態型が、どのように環境に適応しているかをフィールドでの調査および実験により解析し、さらにどのような遺伝子の変化により引き起きているかについて、分子遺伝学的に解析する。生態型間の遺伝的変異の解析には次世代シークエンサーを用いたゲノムワイドの解析を行う。もちろん希望があれば、他の植物種を選んでも良い。